コサコです。
自分が新卒の頃から、気になっていたことがありました。
なぜ上司は組織の課題を放置するのか?
知識も経験もなかった当時の私は、上司は現場の組織的課題に目を向けず、率先して課題解決をおこなっていないと感じていました。
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IT企業で働いていたとき、部署内プレゼン大会がありました。所属本部の従業員満足度調査を分析して(匿名加工された生データが渡されて)発表するイベントです。
プレゼン大会の中で、ある方が「部署があまりに忙しいから、一度立ち止まって、部署を立て直す必要がある。」という話をしました。
そのプレゼンに私もとても賛同したので、当時の役職者複数人と「いま、部署を立ち止まって立て直す必要があるのではないか」と議論しました。
多くの役職者の答えは、NO。
部署を良くするには、事業が成長するしかない。成長こそが部署の課題を解決する手段である。というコメントが大半でした。
その答えを聞いたとき、非常に上場企業の考えで、とても資本主義的だと感じたのを覚えています。
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自分もマネージャーを経験したり、事業によりシビアな関わり方をするようになって、当時の自分の考えは間違っていたと思うようになりました。
前回の投稿でも書きましたが、仕事で大切なこと(企画やプロジェクトマネジメントをする上で)は、以下の4つに集約されていると私は思っています。
- 事業の売上が上がるか?
- 事業にかかる費用が下がるか?
- 組織や働き方が効率化するか?
- 提供するサービスの質が上がるか?
上記に課題があり、それを達成するために組織の課題が起こっているなら、その課題を解決すべきです。
ただ、組織の課題自体を解決すべきではなく、組織の課題によって起こっている課題を解決すべきです。
組織のリソースは有限で、マネージャーのリソースは更に限られています。
その中で、
- Aさんの仕事の出来が悪い(という他の人からの報告)
- BさんとCさんが仲違いしている(というのが明らか)
- Dさんは、いつも他の部署に喧嘩腰でミーティングに望む
というヒトの問題は、誰しもが経験するものでしょう。
ただ、一呼吸おいて、
- Aさんの仕事の出来が悪いとして、その結果、何が起こっているかを考える必要があり、
- BさんとCさんが仲違いすることによって、サービスのクオリティーが下がっているのか確認する必要があり、
- Dさんは、いつも他の部署に喧嘩腰のことによって、プロジェクトが止まっているのかを知る必要があり、
ヒトにフォーカスするのではなく、事業上、売上・コスト・効率・質の何に影響を及ぼしているのかを考えるべきです。
過去お世話になった、上司・役職者の方々は、このことを理解していて、決して課題を放置していたわけではなく、解くべき課題を見極めていたんだと今は理解しています。
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この記事を書くにあたって、先日、以下の動画に出会いました。
この動画の中で、上記の考えと同じようなことを言っていたので、改めて考えをまとめてみました。
もちろん、私もいつも事業の課題を見極めることができているわけではなく、ヒトの問題に気を取られることはあります。
ただ、一晩寝て、ヒトの問題から実際の事業で起こっている課題に置き換え、その課題を解くように心がけています。
--筆者--
小迫 正実 (こさこ まさみ)
高校生で訪れたフィリピンのスラム街での体験から、人の命に関わる分野から経済を動かし、世界を変えたいというビジョンを抱く。
2012年慶應義塾大学卒業後、聖路加国際病院で医療の質を司るQIセンターの立ち上げに従事。分析業務から、データ×ITに課題解決の糸口を感じ2014年にヤフーに転職。広告データ事業に関わる。並行して一般社団法人Healthcare Opsを2017年に設立。2018年には公衆衛生修士をリバプール大学のオンラインコースで取得。2019年よりグループ病院経営企画部に転職し、病院のデジタルトランスフォーメーションに従事。