コサコです。Healthcare Compass、2021年もよろしくお願いします。
2020年は新型コロナウイルス関連の仕事に明け暮れ、正直このブログを更新する余裕が全く有りませんでした。ヘルステック企業の知り合いとやってた勉強会も全く手がつかずで・・・良い意味では本業の病院経営にコミットできた1年でした。
さて年末に、とある記事を見つけました。
タイトルにもある、なぜ社外のコンサルが戦略を作れるのか?という問いに対する答えは、
戦略コンサルタントチームは、戦略策定という経営者のアジェンダに対し、圧倒的な量の時間を投下し、経営陣に対して「時間優位」を作ることで、経営陣が評価する戦略を策定する(少なくともその土俵に乗っている)
というもので、戦略策定に関わるには、忙しい経営陣の代わりに、圧倒的に時間を投下することが不可欠と理解しました。
病院にいる企画職も同じ原理
病院でも、上記の記事と同じ問いにぶつかることがあります。
「なぜ現場担当業務をしてない企画担当部署が、現場の改善案を提示できるのか?」
これに対する答えは、上記と同様
改善案や課題に対する解決策を、定常業務を持たない分、集中して考えることができるから
だと私は考えます。
コロナ禍で身を持って経験〜定常業務をしながら企画業務は難しい〜
私は実は新卒の頃から、定常業務を持ったことがなく、プロジェクトベースばかりの仕事をしてきました。
2020年6月くらいから、私自身も立ち上げに参加した業務で、定常業務を受け持つことになりました。
実際に定常業務を持つと、企画やプロジェクトマネジメントのスピード感と精度が70%くらいまで落ちる経験をしました。
この経験をもとに考えると、100%定常業務で構成されている部署に、課題解決をオーダーしたとしても、実際に動けるのはその部署の部署長のみです。その部署長も、定常業務100%の部署から部署長になったとした場合、企画やプロジェクトマネジメントに慣れてなく、結果的に組織のパフォーマンスはあがらないでしょう。
定常業務が業務の中心であっても、その部署からいずれ部署長を指名することを考えると、15〜20%は改善や企画する時間的余裕を残して、自部署自身でタスクをマネジメントできる体制を残しておくべきだと改めて実感しました。
改めて、どの仕事に自分は時間を投下しているのか
仕事を大きく
- 戦略と業務
- 定期と不定期
の4象限に分けてみました。
おそらく、職員の割合でいうと8〜9割が左下の、定期的な業務に従事していることが多いと思います。定常業務で構成されている部署の方は、右下の「予算や計画、部署内の問題に対する仕事」を時間的に残しておく必要があります。
逆に、不定期業務が中心の企画室・戦略室などの部署は、定常業務で構成されている部署に改善や企画のプロジェクトを持ち込む際に、その部署の余力やスピード感は十分考慮すべきでしょう。
最後に
「なぜ社外のコンサルが戦略を作れるのか」という記事をきっかけに、病院企画職の時間に対する考え方を整理してみました。
自分自身が企画職・プロジェクトマネジメント職として働くにあたって、
- 改善案や課題に対する解決策を、定常業務を持たない分、集中して考えることができる
- 定常業務で構成されている部署に改善や企画のプロジェクトを持ち込む際に、その部署の余力やスピード感は十分考慮すべき
という2点について、肝に銘じて仕事していきます。
--筆者--
小迫 正実 (こさこ まさみ)
高校生で訪れたフィリピンのスラム街での体験から、人の命に関わる分野から経済を動かし、世界を変えたいというビジョンを抱く。
2012年慶應義塾大学卒業後、聖路加国際病院で医療の質を司るQIセンターの立ち上げに従事。分析業務から、データ×ITに課題解決の糸口を感じ2014年にヤフーに転職。広告データ事業に関わる。並行して一般社団法人Healthcare Opsを2017年に設立。2018年には公衆衛生修士をリバプール大学のオンラインコースで取得。2019年よりグループ病院経営企画部に転職し、病院のデジタルトランスフォーメーションに従事。