病院経営ウェブマガジン“Healthcare Compass (ヘルスケア・コンパス)”

Healthcare Compass (ヘルスケア・コンパス)。病院経営ウェブマガジン。病院経営の中でも急性期病院の経営・運営に携わる人のためのメディアです。

Healthcare Compass (ヘルスケアコンパス)

病院事務必読の病院経営雑誌

今回のお話

はじめまして、福島(Y.Fukushima (@YFukushima6) | Twitter)です。私は地方の小規模ケアミックス病院で事務長をしています。元々は、診療放射線技師をしており昨年4月から現職です。同じ病院の中とはいえ、パラメディカルから畑違いの職に就く上で、貪りつくように学んでいるなかで病院経営雑誌を複数読むようになりました。今回この経験から、病院の経営に関わっている方、もしくは興味がある方に、病院経営雑誌は2誌以上読むことをおススメします。

 

病院経営雑誌の分類

まずは雑誌のタイプを「理論と実践」「組織と個人」の切り口で分類してみます。以下の図のように4つの象限に分かれ、それぞれの雑誌の特徴が出てくると思います。「理論と実践」のどちらを必要とするかは、現在の立場によって変わってくると思います。どちらにしても病院組織もしくは政策レベルの情報と、現場で活躍する個人のナレッジの双方の情報に目を通すことがいいでしょう。

読み方としては、以下をおススメします。

  • 理論を必要とするならば「組織理論」タイプから1誌、「個人理論」タイプから1誌を読む。
  • 実践を必要とするならば「組織実践」タイプから1誌、「個人実践」タイプから1誌を読む。

f:id:massy535:20200317085110p:plain

私が読んでいる雑誌

私の場合は、病院の事務長として実践を必要としている立場から「組織実践」タイプの「最新医療経営PHASE3」、「個人実践」タイプの「月刊医療経営士」、それから雑誌ではありませんが、さらにマクロな視点である医療行政・病院諸団体の動向にフォーカスしている「病院新聞」。この3誌を購読しています。それぞれの概要と特徴をご紹介します。

最新医療経営PHASE3

最新医療経営PHASE3(出版:日本医療企画 発行間隔:月刊)は、1984年に創刊され日本初の“病院経営”専門情報誌と言われています。以下、出版社の雑誌紹介です。

行政・患者動向を多角的に分析し、多数の先進事例・経営手法を紹介。
「最新医療経営PHASE3」3つのポイント

  1. 最新・最良の経営手法を知り、経営者としての 視点を鍛える
  2. 行政動向や先進事例を多角的に分析し、戦略家としての 視野を広げる
  3. 地域・社会・時代・顧客を知り、リーダーとしての 視座を上げる

病院を取材している連載記事が複数あり、毎号3施設ほど取り上げられています。病床の規模や地方に偏りなく取材してあるので中小規模の病院でも参考になる事例が多く紹介されていて、病院経営者の考え方や組織の動かし方、職員へのアプローチの仕方など非常に参考になります。特集のバックナンバーを見ても、経営の気になるトピックスを取り上げるのはもちろんのこと、問題を解決する具体的な考え方が紹介されていていることがわかるかと思います。

「最新医療経営PHASE3」過去1年分の特集タイトル

  • 入院単価4万円代でイケる!地域急性期病院の経営
  • ホントの自治体病院経営で「424病院リスト」を乗り越えろ!
  • ”話す薬剤師”が医療を変える
  • これでいいのか!?病院の「食」
  • 皆で語ろう医師の働き方改革
  • ホントに全床「急性期」でいいのか?最適な病院運営をめざそう
  • 介護なくして医療なし病院の力を介護に活かせ!
  • 病床稼働率アップに不可欠、生活困難に応える入退院支援
  • 実践、医師のタスクシフト・タスクシェア「働き方改革」成功のカギ!!
  • 令和時代のがん医療を考える「医学の社会的適用」はどこまできたか
  • 患者中心医療の”新指標”PXで選ばれる病院になる!
  • 「助手さん」と呼ばないで!介護職こそケアの質を決める!!

また、医療業界とは違う業界の有識者へのインタビュー記事もあり、経営者としての視点・視座を広げるというポイントもしっかり抑えられています。経営者の読むべき書籍紹介も非常に参考になります。

 

月刊医療経営士

月刊医療経営士(出版:日本医療企画 発行間隔:月刊)は、その名の通り医療経営士を読者対象にした雑誌です。以下、出版社の雑誌紹介です。

医療経営の改革を推進できる実践力の高い経営人材をサポート
「月刊医療経営士」4大ポイント

  1. 現場視点にこだわった、ワンテーマの大特集主義
  2. 現場で活躍している医療経営士を紹介
  3. 実践的な実務スキルアップを応援 !
  4. 医療経営士としての社会性・人間性を高める

 サクッと読み終わる誌面量ですが、特集に力を入れてあり読み応えは十分。経営企画をライフワークとしている方には、すぐにでも実践したくなる内容が網羅されています。医事課職員の方におススメすれば、経営に関心を持ってくれる人もいるでしょう。医療経営士の活躍譚が多く掲載されているので、「病院事務職員は決して縁の下の力持ちのような日陰の存在ではなく病院経営の要である」という自覚を生ませたいのであれば、是非とも休憩室に1冊置くべき雑誌であると思います。

「月刊医療経営士」過去1年分の特集タイトル

  • 目指すは”最適化”へのコストマネジメント
  • これからの経営戦略を考察する
  • 今、医療経営士に求められる”現場力”
  • 事例に学び未来を読み解く地域医療連携推進法人と医療経営士
  • 改善につなげる財務諸表の読み方活かし方
  • 医療経営士が実践する超仕事術
  • 自院の医療事務を育てる10のメリット
  • これからの病院経営と経営人材の姿
  • 医療サービスの質を見直すホスピタリティマネジメント改革
  • これからの介護医療院の役割と経営戦略
  • 医療経営士が推進する働き方改革
  • 病院評価を高めるロジックを解き明かす

特集以外の記事においても、多職種との連携がスムーズになるような医療人として知っておきたい臨床情報や、病院内でありがちなイザコザに対する考え方や具体策など、すぐに役立つ知識が得られます。また、医療関連サービス会社の紹介もあり、自院の抱える課題解決のヒントも見えたりします。

 

 病院新聞

病院新聞(出版:病院新聞社 発行間隔:週刊)は、1966年発刊で発行部数は約18,000部の全国唯一の病院専門紙。以下、出版社の誌面紹介です。

病院の経営管理に関係する行政、団体、医療機器業界の動向および病院の取組みを中心に報道しております。購読者は院長様、事務長様が主体です。その他、各部門の責任者の方々にも読んでいただいております。創刊は1966年(昭和41年)。毎週木曜日付発行の週刊新聞です。

週刊なので他の雑誌等に比べてタイムリーな情報が得られます。もちろん、タイムリーな情報を求めるのであれば、webに軍配があがることは間違いないのですが、行政や団体においてどんな検討会や審議会等が行われているか、何がどのように議論されているかを知る上では非常に有用なツールになります。誌面で得た検討会の資料を厚労省のホームページで閲覧して詳細を確認するといった使い方ができます。

 

その他の病院経営関係雑誌

その他にもいくつか病院経営にフォーカスした雑誌があります。順不同でご紹介します。

病院
出版:医学書院 発行間隔:月刊
病院の運営管理など最新のトピックスを紹介。

日経ヘルスケア
出版:日経BP 発行間隔:月刊
医療・介護経営に大きな影響を及ぼす行政施策を検討段階から徹底取材。独自の分析を加えタイムリーにお届け。

クリニックばんぶう
出版:日本医療企画 発行間隔:月刊
開業医の“不安”と“悩み”の解消を強力にサポートする、事例ベース中心のクリニック向け総合情報誌。

病院羅針盤
出版:産労総合研究所 発行間隔:月2回刊
病棟構成や病院機能の再構築と病床選択、人材の募集や育成・賃金制度、データの活用など、多くの病院がかかえる課題解決のヒントとなる情報を提供。

機関誌JAHMC(ジャーマック) The Journal of JAHMC
出版:日本医業経営コンサルタント協会 発行間隔:月刊
日本医業経営コンサルタント協会が発行している機関誌。医療現場や医療政策に関する生の声を綴ったインタビューや、各現場からのレポート、協会研修をまとめた誌上研修などを掲載。

集中/MedicalConfidential
出版:集中出版社 発行間隔:月刊
「医療+政治+経済」を網羅する情報をいち早く確実に発信する新タイプの会員制医療情報誌。

これらの雑誌が冒頭の雑誌分類のどれに該当するかは、読んでいないので無責任な名言は避けますが、タイプを見分けて是非2誌以上読んでみることをおススメします。

 

まとめ

日々の業務に没頭していると、その業務に関する知識は自然に学べますが、視野が狭くなり問題を問題として認識できなくなってきます。今回紹介した雑誌の中から2誌以上を継続して読むことで、病院として個人として取り組むべきことが見えてくる1つの手助けになると思います。

 

-筆者-
福島 義男
1979年熊本県生まれ。NBUメディカルカレッジ診療放射線学科卒業後、故郷の天草郡市医師会立苓北医師会病院に診療放射線技師として入職。技師として故郷の医療に貢献できることに満足しながらも、疲弊している同僚、経営の苦しそうな病院、高齢化していく故郷に憂いを感じていた2017年の冬、突如として事務長就任の辞令をうける。戸惑いとプレッシャーの中に、やっと自分の使命を見つけた喜びが湧いてくるのを感じ、2019年4月事務長に就任。学びと実践を繰り返しながら、持続可能な地域医療の未来を目指している。医療経営士2級。