病院経営ウェブマガジン“Healthcare Compass (ヘルスケア・コンパス)”

Healthcare Compass (ヘルスケア・コンパス)。病院経営ウェブマガジン。病院経営の中でも急性期病院の経営・運営に携わる人のためのメディアです。

Healthcare Compass (ヘルスケアコンパス)

ヤフーをやめて、病院業界に戻る理由

Healthcare Compassを運営しています、小迫です。これはいわゆる転職エントリーです。
2019年8月1日から、医療法人鉄蕉会 亀田総合病院の経営企画部で働くことにしました。

2014年の7月からヤフーにお世話になり、丸5年働きました。もともとは、新卒で聖路加国際病院のマネジメント職(事務総合職)としてキャリアをスタートしました。病院で働くうちに、自分のITスキル、Dataの知識に不足を感じ、生涯キャリアの一環としてIT業界に身を置く必要があると考え、ヤフーに転職しました。

データビジネスのキャリアを積みつつも、病院業界への想いを捨てきれず、本ウェブマガジン Healthcare Compassを運営する一般社団法人Heatlhcare Opsを設立したのは2017年です。

ただし、ヤフーでの仕事に不満はありませんでした。けれどもこの度、亀田総合病院での良い機会をいただき、腹をくくって病院業界に戻ることにしました。

今回は、なぜ病院業界に戻る決心がついたかの3つの理由をお伝えします。

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ヤフーはとても良い会社

転職する理由を話す前に、ヤフーがいかに良い会社についても語らせください。大きく「良い」といえる理由が3つあります。

  1. 同僚がとにかく優秀
  2. ビジネスの規模が大きい
  3. 考えられた人事制度
1. 同僚がとにかく優秀

私はデータソリューションという領域で、「ヤフーに蓄積されているデータを利活用して、広告主やヤフー内のサービスの課題解決を手助けする」プロダクトを開発する部署にいました。世間的にはBig Dataを扱う部署です。

データの部署には、日本有数の大学の情報工学の学位を持ったエンジニアがゴロゴロいて、ビジネス企画、事業開発、プロジェクトマネジメントを専門として中途入社で来る優秀な方も多く在籍しています(新卒ももちろん優秀)。

私の専門はプロジェクトマネジメントだったので、広い多様な職種の人と仕事をすることが多く、優秀な同僚から日々刺激を受けることができたのは、とても楽しかったです。そう、仕事が楽しかったです。

2. ビジネスの規模が大きい

ビジネスの規模が大きいこと、イコール良い会社ではないのです。しかし、年間10億円から100億円単位のお金が動いているプロダクトに接していると、自分の視座をグッと上げることができます。

小さいところから売上を積み上げていくアプローチと、市場を見ながら取扱高を上げるアプローチ。広告事業に関わることが多かったので、その中で電通や博報堂といった日本を代表する代理店をお仕事できたのも良い経験でした(トホホなこともたくさんありましたw)。

優秀な同僚と頭を捻って、億単位のビジネスを作っていく経験を20代後半〜30代頭でできたのは、キャリアとして大きな経験になりました。

3. 考えられた人事制度

ヤフーで働いていて、とにかくよかったのは人事制度。個人的には育休も3ヶ月取らせてもらいましたし、お給料もかなり上げていただきました。その時々の上長には本当に感謝しています。

人事制度は給与・福利厚生面のことを言っているのではなく、人材を育てるという意味でヤフーはしっかりした会社でした。1 on 1 という、上司と毎週30分個別で話す時間があったり、Yahoo!アカデミアというリーダーシップ研修もあります。開発視点では、アジャイルの研修も受けましたし、クリティカルチェーンマネジメントの講習はかなり良かったです。成長できないのはおかしいという程の環境を提供している最高の会社でした。

 

この場を借りて、ずっと私の上司だった、村田さんに感謝申し上げます。ありがとうございます。雇っていただいたときから、最後のプロジェクトまで、データ事業を一緒にできて本当によかったです。(同僚のみなさんには、送別会でお伝えしたとおりです。超絶感謝しています。)

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病院業界に戻らないといけないと思った理由

ただ、このとても「良い」環境を捨ててでも、病院業界に戻らないといけないと思った理由が3つほどあります。縁があったのはもちろんそうなのですが、それをきっかけに考えたのは、以下のとおりです。

  1. 病院経営人材の流出が著しい流出。
  2. 上司に頼るのは20代まで。30代は腕試し。
  3. 自分が一番興味のある環境に。
1. 病院経営人材の著しい流出。

私が、新卒で入った病院をやめて転職するとき、病院業界には尊敬できる方がたくさんいました。そんなに多くの方を知っていたわけではないですが、その方たちは、日本以外の地域で病院経営の経験があったり、ひとつの病院だけに留まらずに実績を重ねたり、今まで日本では誰もやったことがないプロジェクトを担当したり。

ただ、私がヤフーで働いている間に、コンサルに転職する方、Health Tech ベンチャーで働く方、ITベンダー側に身を置く方など、病院から出ていく方々を多く見ました。私が大学時代に憧れていた「病院経営」の世界が、少し盛り下がっているように感じました。

このまま指をくわえて病院経営の業界を外から見ていてもよかったのですが、やっぱり自分の将来も含め、病院業界を良くしたい想いがありました。今ならヤフーで身につけたスキルや経験を活かして業界を盛り上げられるかも?という想いも。

病院業界に戻りながら一般社団法人の活動も並行して進めることで、病院経営の楽しさ・面白さを改めて伝える。そして他業界の優秀な人材が「病院経営って面白いかも?」と思ってもらえることを実行していきたい。それが一番初めに、転職のご縁をいただいて思ったことです。

2. 上司に頼るのは20代まで。30代は腕試し。

転職を決めた2つ目の理由は、個人的な成長を考えてのことです。20代、どの組織でも上司にとても恵まれました。新卒では、手取り足取り仕事を教えて頂きながら、大きなプロジェクトも任せてもらい、スキルや経験とともに自信も身につけることができました。ヤフーでも、プロダクト開発のプロジェクトマネジメントだけでなく、チームリーダーやサービスマネージャー(事業のマネージャー)も経験できました。ただ、これもひとえにその時々の上長が私を買って任命してくれたからです。

上司に「守られ」ながら仕事をするのは、安心感もあってラクですが、自分をもう少し追い込んで独り立ちする必要があると考えました。

ヤフーで積み上げた徳と人間関係を一度リセットして、改めて挑戦することにしました。もちろん次の職場でも、信頼関係をベースに「チーム」で仕事をしていきます。31歳になったのを機に、その関係性を再構築する経験が、自分の成長に繋がると考えました。

そして「腕試し」をするなら、ヤフーでの経験のレバレッジが効きやすいIT業界より、本当に解決すべき課題が山積みの業界で酸いも甘いも噛み分ける30代を過ごしたい。であるならば、業界のしがらみが多く、ITでの解決が難しかった病院業界で再度挑戦しよう、という想いに至りました。

3. 自分が一番興味のある環境に。

最後は、単純な理由です。自分が一番興味のある環境に身を置くことが、自分の人生で一番後悔がないかなぁという理由です。

病院経営に興味を持ったのは、2つのきっかけがあります。1つは、高校生のときにフィリピンに交換留学にいったこと(詳しくは、こちら)。もう1つは、祖父が入院してるときの患者体験が良くなかったこと。16歳くらいからずっと興味をもっていて、途絶えたことがないのが「病院経営」への想い。30歳を過ぎても変わらないなら、やはりこの気持ちをきちんとぶつけられる環境に身を置きます。

人が生まれるときと亡くなるとき、現代の医療の知識・技術を考えると、病院とは縁が切れないもの。どうしても関わらないといけないから、最低限のサービスで良いかというと、そんなことはないはず。だけど、役所と同様に、使い手からみたサービス設計は未発達なのが今の日本の病院の状況です。

亀田総合病院は、市中病院のパイオニアとして、より良い患者体験を提供できる土壌にあります。ここなら、自分の想いを病院の方針に乗せて良いよりアウトプットが出せると考えました。

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最後に

転職エントリーというものを書いてみて、改めて想いを文字にするのは難しいなぁと実感しました。書ききれない部分がたくさんあります。

ただ改めて言いたいのは、

  1. ヤフーはめちゃくちゃ良い会社。働く機会があれば、ぜひオススメしたい。
  2. 自分の想いに素直になって、興味のある病院経営で挑戦してみることにした。

ということです。

こんなことを書きつつ、次の職場でうまくやっていけるのは不安でしょうがないです。今まで仕事をしてきた同僚と次に雇ってくださった方々に顔向けできない結果にはならないよう、ベストを尽くします。

こんな感じでいいかわかりませんが、この辺で筆を置きます。

転職した初めの1ヶ月は、Heatlhcare Compassの更新頻度が落ちるかもしません・・・。ご了承ください。

 

--筆者--
小迫 正実 (こさこ まさみ)
高校生で訪れたフィリピンのスラム街での体験から、人の命に関わる分野から経済を動かし、世界を変えたいというビジョンを抱く。
2012年慶應義塾大学卒業後、聖路加国際病院で医療の質を司るQIセンターの立ち上げに従事。分析業務から、データ×ITに課題解決の糸口を感じ2014年にヤフーに転職。広告データ事業に関わる。並行して一般社団法人Healthcare Opsを2017年に設立。2018年には公衆衛生修士をリバプール大学のオンラインコースで取得。2019年より亀田総合病院経営企画部に転職し、病院のデジタルトランスフォーメーションに従事。

 

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