AI(人工知能)、ビッグデータ、IoT、あらゆるモノや産業が今後ICT化すると言われています。
ビジネスマンとして、働く上で身につけるべき能力/知識がいくつかあります。
- 基本的な問題解決能力
- 数字のハンドリング能力
- 分析の基本
- 基礎的な統計的素養
- 情報処理・プログラミング
参照:http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/shin_sangyoukouzou/pdf/013_06_00.pdf
上記に上げた5つのうち、初めの3つについては、現在(2019年)以前からビジネス書籍などを通して声高に「必要だ」と言われていたスキルでしょう。
例えば、以下のような書籍があげられます。
問題解決能力であれば、
今回は、これら3つのスキルに加えて、4番目の知識(素養)である基礎的な統計的素養を理解できる書籍を紹介します。
そもそも、なぜ統計的素養が必要なのか?
AI(人工知能)やビッグデータが前提となる世の中では、できるだけ多くのデータを集めて、それらを解析・モデリングして、精度の高い予測が簡単に行える時代になります。
具体的には、スマートフォンなどで撮影した動画を保存しておくと、勝手に人の顔を判別して分類してくれたり、連続してとった写真を動く写真に合成してくれたりします。
これらは大きく3つの過程に単純化できます。
- データをインプット・集積し
- データを加工・モデリングし
- 目的に応じてアウトプットする
データのどの要素が、目的のアウトプットに効くかを調べたり開発したりする際に、統計学で語られる「因果推論」の考え方が重要になってきます。
因果推論を理解しないままだと、AI時代では仕事をすることができないと私自身も感じています。
だからこそ、今回、基礎的な統計的素養を理解できる書籍を紹介することにしました。
統計のことを概念的に理解したかったらこの3冊
この記事では、統計手法や統計の概念について詳しく書かれた書籍は紹介しません。
統計を使うとこんなことがわかるんだ、科学的に証明された因果推論とはこういうものか、ということが理解できる書籍を紹介しています。
最高の体調 ~進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法~
3つの中で、一番軽めの本が、こちらです。
著者は、メンタリストDaiGoのリサーチャーもされている鈴木祐さん。
文献オタクとして知られ、年間数千本の科学論文を読んでいる方です。
世界中の文献をもとに、ある研究ではこんなことがわかりました、という書き方でわかりやすく科学的に証明された事象を説明してくれています。
「学力」の経済学
慶應義塾大学の准教授である、中室牧子さんの著書です。
アマゾンの内容紹介より抜粋すると
「ゲームは子どもに悪影響?」
「子どもはほめて育てるべき?」
「勉強させるためにご褒美で釣るのっていけない?」
個人の経験で語られてきた教育に、科学的根拠が決着をつける!
という身近なテーマについて、科学的論拠をもとに興味深く構成しているのがこの書籍です。
お子さんをお持ちの方や、教育者の方におすすめの一冊です。
「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法
そして、最後はこの一冊。
この本は2人の共著です。ひとりは、先に紹介した「『学力』の経済学」の著者中室牧子さん。もうひとりは、津川友介さん。現在最も注目されている医療政策/医療経済の専門家のひとりで、カリフォルニア大学ロサンゼルス校助教授(医療政策学、医療経済学)です。
上記の2冊よりも、より「科学的に」な部分に言及している部分が多く、統計手法についてもいくつか言及してあります。
だからといって読みにくい部分はなく、統計のことを概念的に理解するにはもってこいの一冊です。
さいごに
AIやビッグデータが当たり前になり、ほとんどの産業がICT化する時代において、統計的素養は欠かせない能力になります。
大学院に通ったり、オンライン講座を受講したりして、本格的に統計を勉強する人もいますが、まずは統計とはどんなものかを書籍を通して知ることが始めることをおすすめします。
かくいうわたしも、オンライン大学院に通い統計を勉強しましたが・・・なかなかハードでした。大学院で勉強した統計の知識を仕事の業務で使えるまでブラッシュアップしていくのは、わたしにはちょっと厳しいように感じました、トホホ。
それでも概念を理解しておくのは重要です。以下の3冊はとっても読みやすいので時間を見つけて読んでみて下さい。