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Healthcare Compass (ヘルスケアコンパス)

第5回:病院再興計画における施設基準管理

こんにちは、NTT東日本関東病院の野村です。
今回は、施設基準管理について書きます。

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病院が診療報酬を算定するためには、設備、資格、人的配置するルールの「施設基準」を遵守しなければなりません。

以前は、施設基準の申請は、現地確認や書類確認など行政が事前審査する「承認制」でした。しかし、申請から承認までに時間がかかることから平成6年10月に規制緩和が行われ「届出制」に簡略化されています。

簡略化より申請後の各種審査が撤廃され、病院は届出後すぐに算定することができるようになりました。

その一方で、定期的に行政が病院が施設基準のルールを適切に遵守しているかどうか調査する「適時調査」は強化されている印象です。

平成24から28年度の適時調査では、施設基準が不適切であることを理由に返された診療報酬額の合計は、319億円でした。

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(引用)平成28年度における保険医療機関等の指導・監査等の実施状況

返還金は過去5年分までさかのぼることもあるので、患者さんへの返金対応等を考えるとその労力は計り知れません。

以上のことから、届出を行う病院には常に適時調査のことを留意する必要があります。

 

適時調査とは?

基本的には、適時調査は1年に1回は実施されます。しかし、東京都は医療機関の数が多いため、5年~7年は適時調査されない病院もあります。

審査項目は、入院基本料などの基本診療から、検査・処置などの特掲診療までが対象です。調査日の1か月前に行政から実施通知を受けて、事前提出資料を審査の10日前までに行政へ提出するように求められます。

当日も膨大な資料を提出する必要があるため、日ごろから適時調査を意識した施設管理の準備が重要です。

一般社団法人 日本施設基準管理士協会は、専門の施設基準管理者を育てるために「施設基準管理士」の認定制度を平成29年度から開始しました。

当院においても、私を含め2名が施設基準管理士の認定を目指して勉強しております。

 

適時調査準備の攻略ポイント

適時調査準備の攻略ポイントがあります。

施設基準管理士の資格認定に向けた講習会で紹介された内容を、私がアレンジした内容でお伝えいたします。 

  • 厚生労働省発行の「適時調査調査書」で★印の重点確認事項を必ず確認する。
  • 施設基準管理部門は、常に最新の人事情報をキャッチできる体制になっている。
  • 施設基準の要件ごとに、看護職員の配置状況や平均在院日数などの求められる要件を一覧にしておく。
  • 要件に記載されている「専従・専任・専ら」の担当者ごとの勤務状況を一覧にしておく。
  • 院内ラウンドを実施し、「掲示物」の内容が最新であることを確認する。

是非、お試し下さい!

 

施設基準管理と計画

病院収入をあげるためにも、新たな施設基準の取得について、毎年一回は診療科と共同で年間計画を立てましょう。

特に、施設基準は医師の人事が影響しますが、医局人事は突然に起こります。

診療科任せにせずに医事課が、率先して人事情報をキャッチする必要があります。

未然に施設基準の取り下げを防止するとともに、隠れ認定医を発掘できるなど、予想もしない増収につながることもあります。

当院では、病院長が年一回は各診療科部長と院長ヒアリングを実施しています。

今秋のヒアリングから医事課も参加して人事情報をキャッチする予定です。

 

まとめ

今回は、施設基準管理について書きました。 

  • 診療報酬を算定するためには、設備、資格、人的配置するルールの「施設基準」を遵守する。
  • 平成6年に承認制から届出制に変更となり、診療報酬算定までのプロセスが簡略化された。
  • 適時調査で多額の返還金が発生しないよう適時調査に向けてのポイントがある。
  • 新たな施設基準の取得について、毎年一回は診療科と共同で施設基準の年間計画を立てましょう。

いわば、施設基準は、病院運営に必要な設備や人事の内容が書かれた教科書だと思います。

施設基準担当者自身が適切に内容を理解しているかどうかを行政(先生)に確認しながら、一つ一つ準備を進めていくことをオススメ致します。

 

参考

 

次回、いよいよ最終回。

 

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