こんにちは、編集部Mです。
10月中旬のニュースまとめをお送りします。
病院経営ニュース:10月3週
2018年10月12日(金)
看護師が6日間スト ポルトガル全土で 共同通信
ポルトガルの看護師らでつくる労働組合が、待遇改善に関する国の関与などを求め6日間ストライキを開始したという記事です。
医療機関でのストライキというのは今まで聞いたことなかったのですが、世界では起きるものなんですね。ただ、「緊急を要する手術以外は取りやめる。」という条件が付いているところが、医療機関で働く方々の優しさを何とも感じます…。
2018年10月15日(月)
外国人の保険不正利用、法改正を提起 自民党WG 産経新聞
私も、「日本にいる外国人が強引に(?)扶養に入り、日本の保険制度を活用することはよろしくない!」と単純に考えていました。
しかし、このようなツイートがあり「なるほどな~」と思いました。
未だに過去の報道を元に「外国人の国保タダ乗りが問題!」とか行ってる方がいますが、外国人の保険加入者は95万人。高額医療を受けた外国人は19人。不正の疑いがあるのは2人。
— 井上純一(希有馬) (@KEUMAYA) 2018年10月8日
しかも95万人の殆どは、医療費の増加する老後は帰国してしまうのです。現状、外国人の国保加入は財政的に大きなプラスです。
不正利用の疑いがあるのは事実なのかもしれませんし、それにはきちんとした対策を講じる必要もあります。しかし、日本で働く外国人が増えてきている昨今、具体的なケースへの感情論に流されず、大きな視点から外国人の保険加入者がもたらす保険財政への影響力をきちんと分析する必要があります。医療面できちんとしたバックアップがなされた状態で外国人が働ける環境をつくっていってほしいなと思います。
2018年10月15日(月)
各競技会場に医療責任者を配置へ=東京五輪 時事通信
東京オリンピックにおける、選手用/観客用の医務室に関わる話です。
1つの会場に何万人もの観客が詰めかけ、しかも8月の東京という炎天下の中で、観客の安全管理は非常に重要な運営要素になってくるように思います。また各国から観客が詰めかけるため、感染症のリスクも大きく高まります。
この記事だけでは医務室の運営が専属の契約スタッフ中心なのか、ボランティア中心なのかは分かりませんが、きちんとした医療面での安全管理ができる人員体制はお金をかけて行ってほしいところです。
2018年10月15日(月)
電子カルテの画像診断報告書所見に「確認」ボタン 愛知県がんセンター愛知病院、治療遅れで防止策 キャリアブレイン
ここのところたびたび話題になるのが、「画像診断結果の確認が不十分だったため、がん患者の治療が遅れた」という問題。
愛知県がんセンター愛知病院でもそのような事例がありました。この記事は電子カルテ上の画像診断報告書の所見欄に「確認」ボタンを表示するという再発防止策を講じたという内容です。
「放射線検査」と言っても、病院側から見ると、
1. 放射線科医が検査レポートで正しく所見を発見する
↓
2. 担当医に所見が伝わる
↓
3. 担当医から患者に正しく伝えられる
という三つのステップを追うことになり、多職種がスムーズに連携することが患者さんに正しい情報を伝えるために不可欠になります。
今回の取り組みは、2. の「担当医に所見を伝える」というステップをより正確に行うための取り組みと言えると思います。
このシステムを導入では、検査日から2週間を経過しても「確認」ボタンが押されていない画像診断報告書の一覧を作成し、毎週日曜日に全医師にメールで送信。各診療部長が医師に確認を促すとのことで、「確認していない医師へのフィードバック」も担保されています。
どのような効果が出るのか、全国の病院で効果を共有しながら安全対策を進めていってほしいと思います。
2018年10月15日(月)
米IT界の巨人が医療スタートアップに巨額投資 日経新聞
米国のスタートアップ投資で、医療分野が脚光を浴び始めています、という記事。
当ブログでも紹介されていますが、アマゾンは最近、処方薬のインターネット販売を手掛ける米PillPack(ピルパック)を買収して医薬品販売に参入しています。
記事によると、IT大手が最近注目しているのはバイオテクノロジー部門で、特に16年10月以降に投資が集中しているようです。一方で、医療ネット通販への関心は薄れ気味とのこと。
また医療スタートアップ企業への投資が最も盛んなのはグーグルとゼネラル・エレクトリック(GE)で、GEは6月にヘルスケア事業を売却する方針を明らかにしたものの、傘下の投資部門GEベンチャーズを通じてこの分野への投資を続けているそうです。
日本でも、ヘルスケア事業の立ち上げは数多いですが、IT企業がそれを支援するという構造にはあまりなっていないような気がします。アメリカの大手IT企業がどのようなヘルスケア事業に注目しているのかは、そのまま今後の医療業界のトレンドを示しているような気がして、興味深いですね。
2018年10月18日(木)
ナビタイムと医薬品配送支援ツール開発 アルフレッサ、ルート算出や業務管理など効率化 日刊薬業
アルフレッサとナビタイム 医薬品配送支援ツール開発 最適ルートの算出など | 国内ニュース | ニュース | ミクスOnline
アルフレッサ ホールディングス子会社のアルフレッサが、ナビタイムジャパンと医薬品配送支援ツール「saios(サイオス)」を共同開発したという記事。
すでに配送専門職であるセールスアシスタントの全てのスマートフォンと管理者用パソコンにシステムを導入され最適な配送ルートや納品報告業務を効率化できるほか、各支店でリアルタイムに運行情報を把握して渋滞を考慮した到達予定時刻を確認するなど、正確な運行管理にも役立てる。
アルフレッサは、本ブログを運営するHealthcare Opsの勉強会で、講演に来てくださった企業です。
このようなAIを活用した自動配車や検品業務は、病院内ではSPDと呼ばれる診療材料や薬剤の管理にも密接に関わってくると思います。院外で行われている業務効率化の取り組みを院内にどのように取り組むべきか、病院業界でも考えていく必要がありそうです。
最後に
今回は、病院の外で起きていることを中心に取り上げてみました。
このブログを読んでくださっている皆様の気づきになるような記事が一つでもあれば、うれしいです。