病院経営/医療経営ブログ“Healthcare Compass (ヘルスケアコンパス)”

Healthcare Compass (ヘルスケアコンパス)。病院経営/医療経営ブログメディア。病院経営/医療経営界隈で気になったことをまとめています。

Healthcare Compass (ヘルスケアコンパス)

病院経営ニュース:9月4週

こんにちは、編集部Mです。

9月下旬の病院経営のニュースのまとめをお送りいたします。

f:id:massy535:20180930175735j:image

 

病院経営ニュース:9月4週

2018年9月22日(土)
医療費2年ぶり最高 17年度、75歳以上伸び顕著 日本経済新聞

日本における1年間の医療費の概算に関する記事。

「概算医療費=医療保険給付費+公費+患者の自己負担分」とのことです。(労災や全額自己負担となる治療費は除く)
医療費の伸びの要因としては、以下の二つが挙げられるようです。
  1. 高齢化社会の進展による75歳以上(後期高齢者)の医療費の増大(全体の38%を占めるとのこと)
  2. 調剤費(薬代と薬剤師の技術料の合算)の伸び→高額薬剤の薬価引き下げがあっても、増加傾向は変わらないようです。2年に1度の薬価改定とのいたちごっこという感じなのでしょうか…
 2018年8月から、介護保険の自己負担金割合が所得に応じて変更になりましたが、後期高齢者の自己負担金制度についても今後の変更が起こる可能性は高そうですね。

 

2018年9月26日(水)
【三重】「院長」と「経営」のトップ分業 三重・伊勢総合病院が赤字解消へ 中日新聞

経営の改善が課題となっている三重県伊勢市立伊勢総合病院(同市楠部町)に関し、医師が就く「院長」とは別に、経営トップの特別職「病院事業管理者」を就任させる、という話題です。
今後は、院長(医師)は診療態勢や医療スタッフの技能向上を担当する診療分野の責任者、管理者は病院の予算や人事などを担当する経営分野の責任者、という位置づけで病院運営がなされていくようです。どのような経営改革がなされていくのでしょうか。
ちなみに、「病院事業管理者」には市職員出身で17年4月から病院の経営推進部長を務めてきた方が昇格されたとのこと。市議会では「病院経営の専門家を管理者に」と求める意見もあったとのことで、このような病院経営の専門家が全国で活躍できるようになっていくとよいなと思います。
 

2018年9月27日(木)
電子カルテの仕様を標準化し、医療費の適正化を促せ―四病協 MedWatch 

ニュース記事は全文が上記のリンクから読めるようになっていますので、興味がある方は元記事もご参照ください。概要を抜粋すると、以下のような内容です。
電子カルテの仕様を標準化することで、データの連結等が可能となる。これによる医療機関のコスト削減はもちろん、医療費の適正化にもつながる。こうした点について厚生労働省へ要望することも視野に入れて検討を進める―。 9月26日に開かれた四病院団体協議会(日本医療法人協会、日本病院会、全日本病院協会、日本精神科病院協会で構成)・総合部会では、こうした点で一致したことが、日本医療法人協会の加納繁照会長から報告された。

最終的な診療費請求につなげる部分だけが載っているレセプトデータとは異なり、電子カルテには医療のプロセスの部分に関する様々なデータが眠っています。しかし現在は、各病院内でしか活用できていないというのが現状です。

「電子カルテの標準化に向けて、厚生労働省へ要望を行うことも視野に入れて、さらに検討していく」とのことです。ベンダーにとって電子カルテは一大ビジネスですので、標準化に向けた動きをベンダーが自主的に進めることはあまり考えにくいような気もします。今後の厚労省の見解に注目していきたいところですが…

ちなみに「大雑把な試算だが、電子カルテの費用は病院収益の1.5%に相当し、急性期病院の利益率を上回っている」とのことでした。電子カルテは病院運営になくてはならないものだと思いますが、一病院内でカスタマイズをしすぎて費用が増大するという現象は、病院経営の視点から考えると避けるべきものなのだと思います。

 

2018年9月27日
消費増税に伴う薬価・材料価格の特別改定、実施時期を年内かけて模索―中医協総会(2)MedWatch 

こちらは、消費増税に伴う中医協の話題をまとめた記事。
先週、来年(2019年)10月の消費増税(8%→10%)に伴い、診療報酬本体だけではなく、薬価と特定保険医療材料についても改定を行うことが検討されるが、その時期をいつにすべきか…という内容です。
「 2019年10月に消費税対応改定を行うと、2020年度の通常改定で実勢価格を反映できない」という点が焦点になっています。
普通に考えれば「消費税率が引き上げられる来年(2019年)10月に薬価等を引き上げる」ことになりそうですが、その場合、「2020年4月の通常改定の基礎となる薬価調査・材料価格において、消費税対応改定後の実勢価格を把握できない」という問題が生じるのです。薬価等の改定は、通常、「改定前年の9月(材料では5-9月)に取り引きされた分」を対象に実勢価格(実際に卸業者から医療機関等が購入した価格)を調べ、それをベースに価格の引き下げを行うこととなっています。しかし、2019年10月に消費税対応改定を行った場合、2019年9月の取り引き価格は「消費税対応改定前」のものとなり、最新の実勢価格とは言えなくなってしまうのです。(記事より抜粋)
 これから検討がされていく議題ですが、特に薬剤・医療材料を取り扱う部門にとっては目が離せないニュースになりそうです。
 

2018年9月27日(木)
病院の災害時の事業継続計画策定の状況調査へ 厚労省 産経新聞

厚生労働省が全国約8400の病院を対象に、災害時の事業継続計画(BCP)を策定しているか調査に乗り出す、という内容(BCP=Business Continuity Planの略)。
今年に入り全国各地で震災が相次いでいることもあり、医療機関における災害対策の強化としてBCPの策定を行うことがクローズアップされています。また、厚労省は災害拠点病院に対して来年3月までにBCPを策定するよう義務付けています。
調査を通じ、食料や水・自家発電の燃料の備蓄といった災害への備えを確認し、来年3月までに結果を取りまとめるとのことで、災害対策の被害を最小限に留めるための仕組みが全国の病院でとられることを期待したいです。
 

----

以上、病院経営ニュースまとめ:9月4週 でした。