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病院経営ニュースまとめ:9月3週

こんにちは、編集部Mです。

前回から早速間が空いてしまいましたが、9月中旬の病院経営のニュースのまとめです。みなさんが関わる業務に関連して、一つでも興味のあるニュースがあればうれしいです。

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病院経営ニュース:9月3週

2018年9月11日(火)

「有料救急車&完全予約制」パリの医療事情 毎日新聞 竹内真理/パリ在住ライター

パリ在住のライターが、フランスの医療事情を書いた記事。

フランスはの医療は完全予約制、分業制が進んでおり、予約→診察→検査→診断→治療までのステップが別々になっており、患者側から見ると必ずしも迅速な診察システムにはなっていないようです。

日本の医療システムでは、診療所⇔大病院の分化をもっと進めるべき、という議論が盛んになされていますが、その場合は分業制による非効率を患者側が我慢しなければいけないのかもしれませんね。

ちなみに、救急車は有料のシステムになっているそうです。お金を払っている分、フランス人はがまんせず、気軽に救急を使っている印象とのこと。ここもメリットとデメリットが混在していそうですね。。。

 

2018年9月15日(土)

初・再診料の上げ検討 厚労省、来年10月消費増税時に 日経新聞

診療報酬の話題。19年10月に予定されている消費税率の10%への引き上げに合わせて、診察を受けた際に支払う初・再診料を引き上げる検討に入るようです。

医療機関の収支構造として、収入(=診療報酬)は非課税ですが、支出(医療機器などの仕入れ)は課税対象となるため、患者の窓口負担を引き上げて増税分を賄えるようにする措置が取られる、という考え方です。(14年の増税時にも、診療報酬改定時に一定分を上乗せすることで医療機関の経営に配慮したという経緯があります)

しかし、対象が初再診料という患者に一番目に付くところだけなのも少し疑問です…。例えば、手術材料を多く使う手技については、材料費分が高くなるため、一手技当たりの利益は目減りしてしまいます。

こちらについては、2020年度改定で反映されていくのかもしれませんが、それなら増税のタイミングを年度末に設定すればよいのでは…と思ってしまいます。

 

2018/9/16(日)

北海道地震 停電時の医療にもろさ露呈 災害拠点病院も被害 産経新聞

北海道地震により発生した停電が、医療機関の電力依存のもろさを露呈した、という内容の記事です。

  • 人工透析
  • 人工呼吸器・酸素吸入器

には電気が必要です。それが止まった場合は患者さんの命に関わるリスクがある治療については、平時より院内の非常用発電機の稼働時間・備蓄燃料の容量を検討する必要があります。他院との連携を密にシミュレーションする必要もあるということが示唆されています。

燃料の大量備蓄は保管施設の整備や管理に労力や費用がかかり、一般の病院は対処が難しいことも多いです。特に災害拠点病院に対しては病院任せでなく、行政による手厚い支援システムが構築されてほしいですね。

 

2018/9/17(月)

集中治療室の患者、遠隔で診療支援 質高め医療費抑制  厚労省、中核病院の専門医とネットワーク 日経新聞

厚生労働省が、複数の医療機関の集中治療室(ICU)と中核となる病院をつなげ、遠隔で診療を支援する仕組みづくりに乗り出すという記事です。

ICUには重症な患者が多く入るため、昼夜問わずに同レベルの診断・治療がすぐにできるような環境が必要不可欠です。しかし、救急・集中治療部門の医師は特に不足しがちな領域であり、全病院が同じようにICUを運営していくことは難しくなってきています。

そこで、電子カルテや血圧など患者の状態が分かるデータを中核施設に送り、専門の医師がそれぞれのICUに助言するという「Tele‐ICU」と呼ばれるような遠隔医療の仕組みをつくっていこう、という構想が進んでいます。厚労省はネットワークの構築に必要な施設整備費などで2019年度に助成制度を設ける方針とのことです。

アメリカでは、すでに先行してTele‐ICUのような仕組みがあり、患者さんへのアウトカムも出ているようです。オンライン診療の話と併せて、ITの力を活用した診療支援が進んでいくことに期待したいですね。

 

2018年9月17日(月)

もしも、AI医療で手術ミスが起きたら? 朝日新聞 

AI医療の未来がどんどん見えてきていますが、もしAI医療でミスが起きたらどうすればいいか…?、という記事。

特に記事の中で印象的だったのが、「医師になった時からAIによる診断が当たり前という『AIネイティブ』な未来の医師だと、AIを信じ切ってしまい、AIが間違った判断をしても気付けないのでは」というもの。AI医療のプログラミングをするのは人間ですが、設計者がいなくなった時、その診断の正確性をどのように第三者が判断するのか…

AI医療によるメリットは十分に享受していくべきだとは思いますが、一方でこのような中長期的な人間の能力の維持・進化についても考えなければいけないな、と思わされる問題提起でした。

 

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以上、病院経営ニュースまとめ:9月3週 でした。