「そんなに相手に期待しちゃだめだよ。」
新卒でお世話になった上司の言葉を今でも思い返します。
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23〜24歳のころ、私は仕事について「すべてにおいて、ベストを尽くすもの」だと考えていました。
いまでも「ベストを尽くす」考えで仕事を実践したいですが、現実は異なります。
家族ができ、子どもが生まれて共働きをしている状況では、23歳のころの自分が求めた働き方は難しいです。
毎日会社に出社して、同じメンバーと顔を合わせていると、まるで会社が人生の中心に見えてくることもあります。そうすると、会社のためを思って、常に相手に自分と同様のパフォーマンスを求めようと思う人も出てきます。かつての自分もそうでした。
ただ、家族をもつようになって「それは違うなー」と最近は思えるようになりました。
各メンバーには家族がいたり、恋人がいたり、独り身だったり、親の介護が必要だったり、友人を助ける必要があったり、置かれた状況が違います。
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そういう意味で、当時の上司が言った「そんなに相手に期待しちゃだめだよ。」という言葉が最近は身にしみます。
一緒に仕事をしている相手は、
- 朝、家族と口論をして出社したかもしれません。
- 赤ちゃんの夜泣きで、寝不足かもしれません。
- 風邪薬のせいで、眠気があるかもしれません。
- 天気のせいで、気持ちがブルーかもしれません。
もしくは、
- とても良いことがあって、ハッピーかもしれません。
- 結婚式を間近に控え、心ここにあらずのこともあります。
繰り返しますが、一緒に働く相手は、自分とは置かれた状況が違うことを認識する必要があります。
だからといって、相手の状況をいちいち確認するのも野暮だと思います。
では、どうすればいいか。
自分のやれる範囲の仕事に集中する。
人と仕事している場合、相手の成果に期待するのはやめます。誰かと仕事をする場合、コントロールできるのは自分の仕事のみです。
他人に高いアウトプットを求める場合は、期待値をすり合わせするのが自分の仕事です。
一発で、求めていた質の仕事を相手が行うことは稀です。期待せず、2−3回のやりとりを重ねて質をあげていきます。
それが、「相手に期待しない」働き方。
決して悪い意味ではなく、毎日のパフォーマンスに上下はあることを前提にして、仕事を進める。そして、自分の仕事に集中する。
加えて、自分自身にも期待しずぎない。いつも100点を出すことを目指さず、コンスタントに80点を取ることを目指す。
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これが、私が日々心がけている働き方です。
たまには、仕事でホームランを打ちたいですし、人に喜ばれたり驚かれたりする仕事をしたい。
でも、長い仕事人生においては、相手にも自分にも期待しすぎず、自分がコントロールできる範囲の仕事に集中することが、結果的に成果をあげられると思っています。