いつも医療経営/病院経営ブログ“Healthcare Compass (ヘルスケアコンパス)”を読んでいただき、ありがとうございます。 今日は、病院とクリニックの医療連携を支えるツールをご紹介したいと思います。
背景
地域医療支援病院を目指して、地域の中核を担う総合病院では、医療連携室を設置している施設も多いかと思います。
厚労省のデータによると、2017年6月末の数字では、全国に548の地域医療支援病院があります。*1
地域医療支援病院の対象となる200床以上の病院数が全国に2649ありますので、地域医療支援病院は全体の20.1%に当たります。
20.1%という関門をくぐり抜けた先にあるメリットとして、地域医療支援病院入院診療加算 があります。
平成30年度の時点で*2
- 出来高:1000点(A204 地域医療支援病院入院診療加算(入院初日))
- DPC:0.0304
を加えることができ、病院の売上に大きなメリットをもたらします。
地域医療支援病院入院診療加算の算定要件
地域医療支援病院入院診療加算の趣旨は、厚労省が以下のように述べています。*3
患者に身近な地域で医療が提供されることが望ましいという観点から、紹介患者に対する医療提供、医療機器等の共同利用の実施等を行い、かかりつけ医等への支援を通じて地域医療の確保を図る病院として、平成9年の医療法改正において創設(都道府県知事が個別に承認)。
この加算を満たすための要件は、以下のとおりです。
- 開設主体:原則として国、都道府県、市町村、社会医療法人、医療法人等
- 紹介患者中心の医療を提供していること
- 紹介率80%を上回っていること
- 紹介率が65%を超え、かつ、逆紹介率が40%を超えること
- 紹介率が50%を超え、かつ、逆紹介率が70%を超えること
- 救急医療を提供する能力を有すること
- 建物、設備、機器等を地域の医師等が利用できる体制を確保していること
- 地域医療従事者に対する研修を行っていること
- 原則として200床以上の病床、及び地域医療支援病院としてふさわしい施設を有すること
言わずもがな(書かずもがな)ですが、満たさないと行けない条件で一番気にするところが、1〜3のいずれかの条件を達成することでしょう。
- 紹介率80%を上回っていること
- 紹介率が65%を超え、かつ、逆紹介率が40%を超えること
- 紹介率が50%を超え、かつ、逆紹介率が70%を超えること
この条件を達成するために役立つのが、今回紹介するツール“Med+(メドプラス)”です。
紹介/逆紹介を支えるMed+(メドプラス)とは
Med+ (メドプラス)とは、紹介率・逆紹介率の向上を目的とした、病院とクリニックの連携を促進するためのツールです。
大きな機能は、2つあります。
- 疾患名による医療機関検索
- 連絡した医療機関の情報の一元管理(CRM機能)
です。
疾患名による医療機関検索
以下の画面イメージをご覧ください。
住所の情報と疾患名、処方できる薬剤の情報から、医療機関を見つけることができます。この検索機能は、集患のための前方連携と、逆紹介のための後方連携の両方に利用することができます。
集患のための前方連携
今の世の中、医療機関だからといって指をくわえて待ってるだけで、患者が来るわけではありません。立ち上げたばかりの診療科や体制を強化した診療科は、それなりに営業を掛ける必要があります。
疾患名による医療機関検索を使えば、診療科に対して紹介してくれそうなクリニックを抽出することができます。
簡単にリストアップすることができ、メールや電話で問い合わせすることができます。
逆紹介のための後方連携
逆紹介率向上のためには、病院都合だけでなく、患者のニーズに寄り添った紹介先クリニックの提案が必要になります。
医療連携室で、Med+ (メドプラス)の画面を一緒に見ながら、患者の生活に便利なクリニックを紹介するというのが、良い使い方でしょう。
加えて、プリントアウト機能もついているので、クリニック情報をその場で印刷して患者に渡せるのも、患者体験を向上させる素晴らしい機能です。
連絡した医療機関の情報の一元管理(CRM機能)
医療連携した機関との情報は、病院でどう管理するのが適切でしょうか?
エクセルで管理をしていたり、担当者の勘に頼ったりしている病院も多いかと思います。ましてや、CRM(Customer Relationship Management)という顧客管理専用のシステムを入れているところも少ないでしょう。
以下の画像イメージからわかるとおり、Med+ (メドプラス)なら連携先を探したのち、そのクリニックにどういう連絡をしたのかを記録に残すことができます。
例えば
- 紹介率向上のために、電話連絡しました
- XXXの疾患の患者さんを、逆紹介しました
- いつも紹介してくださる〇〇クリニックに、年始のご挨拶にいった
などを記録しておくことができます。
時系列に記録が残っていきますが、検索機能を使えば、クリニック名や自病院の担当者で情報を絞ることもできます。
このCRM機能があれば、マネージャーを含めて属人的だった業務も、チームで標準化することができるでしょう。
Med+ (メドプラス)の機能まとめ
上記の機能をまとめると以下のように整理できます。
(med+様よりご提供)
前方連携を強化することでの効果として、純粋に新規患者獲得による売上の向上が見込めるでしょう。
逆に、後方連携に関しては、逆紹介しすぎることで売上が下がってしまうのではという不安をお持ちの病院もあるでしょう。
永寿総合病院の例を出すと、逆紹介を積極的に行い、逆紹介率を40%から70%にしました。結果として、診るべき患者にフォーカスでき、外来単価がアップして経営改善しています。
(med+様よりご提供)
地域のニーズを捉えて、適切な診療科が適切な疾患を診ることで、働き手も得意な領域の治療に集中できます。結果として、患者の待ち時間も減り、より良い医療を受けることができるでしょう。
まとめ
今回は、紹介率・逆紹介率の向上を目的とした、病院とクリニックの連携を促進するためのツール「Med+ (メドプラス)」を紹介しました。
地域医療支援病院入院診療加算を手にすれば、
- 出来高:1000点(A204 地域医療支援病院入院診療加算(入院初日))
- DPC:0.0304
を診療報酬に加えることができ、病院の売上に大きなメリットをもたらします。
加算の要件を保つためには、紹介率・逆紹介率もともに向上を目指さなければなりません。
そのためにも、Med+ (メドプラス)の提供する
- 疾患名による医療機関検索
- 連絡した医療機関の情報の一元管理(CRM機能)
は、病院の経営を支える大きな武器となるでしょう。
参照
- 医療施設動態調査(平成 29 年 6 月末概数)
- https://hodanren.doc-net.or.jp/books/18kaitei/seigo/180720_tbk_dpc.pdf
- 地域医療支援病院について
- Med+ (メドプラス)
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