こんにちは、小迫です。
新卒から7年が経ったいまでも、「このデータ、まとめておいて!」と上の人や他の部署から頼まれることがあります。逆に、同僚にデータをまとめるようお願いすることも増えました。
「データをまとめる=分析をする」ことだと、私は思います。
うまくデータを分析できることもあれば、できないこともあります。他人の分析を見ても、感心することもあれば、なにか物足りないと思うこともあります。
それは、エクセルでやったからいいとか、SQLでやったから良いとか、という手法論の話でありません。
分析によって、なにが「言えたか」によって、良し悪しを判断しています。
今回は、そもそも「分析」とはなにをすることなのか についてまとめてたいと思います。
名著「イシューからはじめよ」を知っていますか?
分析とは何かの本質を知るには、安宅和人著の『イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」』を読むのが一番です。
著者が、マッキンゼー、イェール大学の博士課程のプログラムを通して学んだ知識がまとまっている本です。
分析の本質とは?
分析の本質について、「イシューからはじめよ」になんと書かれているでしょうか。
「分析とは比較、すなわち比べること」(P. 150)
つまり、分析とは、2つ以上のものを比べて違いを見ることです。違いから「意味合い」をはっきりさせることが重要であると、本の中で述べられています。
比較して意味合いを表現するポイントが3つあります。(P. 165)
(筆者転写)
言われれば当たり前のことかもしれないが、基本的には
- 差
- 変化
- パターン
を軸にして整理して結論を述べれば、「分析」したことになります。
分析することより大切なこと
ただ、先に紹介した「イシューからはじめよ」は、分析の本ではありません。優れた知的生産にある共通の手法についてかかれた本です。
ここで述べられている優れた知的生産のカギは、「イシュー」を見極めることだそうです。
イシューとは何か?と良いイシューの条件とは何か?について、少し紹介させてください。
イシューの定義 (P. 25)
A) 2つ以上の集団の間で決着のついていない問題
B) 根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしてない問題
具体的に、単なる仮説からイシューに落とし込むには、以下のようにスタンスを取ることが大切です。
- スタンスのない仮説)自病院を取り巻く市場はどうなっているか?
- イシュー)自病院の診療科の中で、拡大しつつある市場(診療科)はあるか?
さらに、仮説からイシューに落とし込む際に、良いイシューの条件があります。
それは、
- 本質的な選択肢である
- 深い仮説がある
- 答えを出せる
簡単にまとめると、良い条件は、「イシューに対する答えが今後の方向性に大きく左右する」ものであり、「新しい構造を説明できる」ものであり、「既存の手法で答えが出せる」ものです。
分析に関するまとめ
分析において
- なによりイシューの見極めが大切です。
- イシューに落とし込むには、仮説にスタンスを取りましょう。
- イシューが、今後の意思決定に左右し、新しい構造をしめるもので、答えが出せるか確認しましょう。
- 答えを出す手法として、「差・変化・パターン」を用いて表現しましょう
この最終工程の、「差・変化・パターン」を見出す部分が分析 です。
実際に試した例
分析に関する記事を書くと決めた時に、先に書いたのが以下の記事です。
実際に、「自病院の診療科の中で、シェアを拡大できる診療科はあるか?」という仮説を設定しました。
結論は、「差」を用いて表現しました。
最後に
今回は、安宅和人著の「イシューからはじめよ」を参照しながら、分析についてまとめました。
本メディアブログ“Healthcare Compass” をやる意義を、初回の投稿でこう書きました。
調べたことを手元のメモにまとめているので、それらをブログ形式にして公開しても良いのでは?と思ったことがきっかけです。
今回は、その意義にぴったりの記事でした。私自身が2年ほど手元のメモに残して見返していたものを、ブログにして公開しました。頭ではわかっているようでも、改めて文字に起こすと、頭が整理されてスッキリしました。
これからも、印象に残っている考えや何度も仕事の参考にしている書籍を、私なりにまとめて公開していきたいです。