編集部Mです。
今回は、全国の病院の医師数トップ10を調べてみました。
前回の「全国の病院 患者数トップ10を調べてみた」に引き続き、「病院情報局」に掲載されているデータをもとにまとめています。
指標の定義
医師数:常勤医師+非常勤医師の常勤人数換算(平成28年1月時点での掲載情報)
病床数:病院が有する総病床数(一般病床、療養病床、精神病床、結核病床、感染症病床の合計)
となっています。
なお「医師数が多い」という情報から、「1人の患者さんに対してどれだけの医師がいるか?」ということが分かることが重要だと考えました。そこで、医師数の横に病床数を追加し、医師数/病床数で「一病床当たりの医師数」を算出しています。この指標が2であれば一人の患者さんに2人の医師が診ている体制、指標が0.8であれば一人の患者さんに0.8人の医師が診ている体制、といえることができます。
トップ10の病院
医師数トップ10の病院は、下記のようになっていました。
No. | 病院名 | 都道府県 | 医師数 | 病床数 | 1病床あたりの医師数 |
1 | 東京女子医科大学病院 | 東京都新宿区 | 1,135 | 1379 | 0.82 |
2 | 東京大学医学部附属病院 | 東京都文京区 | 1,013 | 1217 | 0.83 |
3 | 大阪大学医学部附属病院 | 大阪府吹田市 | 838 | 1086 | 0.77 |
4 | 順天堂大学医学部附属 順天堂医院 | 東京都文京区 | 714 | 1020 | 0.70 |
5 | 京都大学医学部附属病院 | 京都市左京区 | 714 | 1121 | 0.64 |
6 | 慶應義塾大学病院 | 東京都新宿区 | 682 | 1044 | 0.65 |
7 | 神戸大学医学部附属病院 | 兵庫県神戸市 | 680 | 934 | 0.73 |
8 | 東京医科大学病院 | 東京都新宿区 | 676 | 1015 | 0.67 |
9 | 東京慈恵会医科大学附属病院 | 東京都港区 | 652 | 1075 | 0.61 |
10 | 大阪市立大学医学部附属病院 | 大阪府大阪市 | 638 | 972 | 0.66 |
※対象となる病院は、患者数と同様に、DPC制度に参加している病院のみとなります。
トップ10から見えること
病院の種類:トップ10はすべて大学病院
「医師数」で見ると大学病院が上位に来る傾向がより如実です。トップ10では、全ての病院が大学病院でした。(ちなみにそのあとトップ50くらいまでもずっと大学病院が続きます。)
病院の地域:10病院中6病院が東京都内に存在
地域については、TOP10のうち6割の病院が東京にあります。
それ以外の病院は、大阪(大阪大学、大阪市立大学)、兵庫(神戸大学)、京都(京都大学)と関西の国公立大学の附属病院が入っており、人口集中地区に規模が大きく、医師数も充実した病院が揃っていることが分かります。
一病床あたりの医師数:大学病院はすべて0.6点以上
この指標について調べてみたところ、0.5点以上になるのはほぼ大学病院で、市中病院は0.4以下が目安になるようです。
前回の記事で調べた患者数ランキングで全国1位だった倉敷中央病院は1,066床に対して医師数440人で0.41医師/病床、患者数で全国8位だった名古屋赤十字病院は812床に対して医師数275人で0.34医師/病床、でした。
医師数/病床について、
大学病院には研究・教育を中心に行う医師も多くいると思われますので、この指標を比較して良い・悪いは判断出来ません。
市中病院に関していえば、この病院情報局に出てくる数字を比較してみると、「0.3~0.4医師/病床」あたりが医師の人員数の目安になってくるようです。近くの病院がどの程度の医師配置なのか?を調べてみると面白いかもしれません。
参照
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